活動報告

第84回日本公衆衛生学会総会でセンターのメンバーが発表しました!

2025.11.07

こんにちは!

10月29日から31日までかけて実施された、日本公衆衛生学会総会でセンターメンバーが発表をしてきました!

3日間とも研究の仲間や、新しく知り合う方々との交流であっという間にすぎました。

センターメンバーの演題をご紹介いたします!

 

演題名:小児科医師偏在指標と診療行為件数の県別相関分析―NDBオープンデータによる実態把握―

発表者:鈴鹿竜司(特任研究員)

演題内容:本年度科研費で採択された新たな医師偏在指標に関わる研究に関連して、初年度の今年は小児科医師偏在指標に着目して分析を行い発表を行いました。現行の小児科医師偏在指標は、実際の医療提供量との相関が乏しく医療の供給バランスを評価するには限界があることが明らかとなりました。来年の公衆衛生学会でもアップデートした内容で発表出来るように研究を進めて行きたいと思います。

演題名:医療政策立案における市町村の役割:千葉県市原市「地 域医療推進ビジョン」から検討する

発表者:吉村健佑(特任教授・センター長)

演題内容:市町村は住民に最も近い立場で医療政策を担うが、法制度上の権限は限定的です。千葉県市原市では医療資源の偏在や救急体制の脆弱化を背景に「地域医療推進ビジョン」を策定し、地域特性に応じた医療機能誘導や在宅医療・介護連携を推進しました。基礎自治体が県と協働しつつ実効性ある医療政策を構築する重要性を示した事例を報告しました。

 

 

演題名:病床機能報告の不適切入力と、診療情報管理士の在籍の有無の関係

発表者:阿部幸喜(特任講師)

演題内容:病床機能報告の報告結果をよく見ると、「常勤の医師数“0”」とする不適切登録を散見します。診療情報管理の在籍が、この不適切登録を抑止する可能性を示す調査結果を発表しました。医療DXの基盤となる正確な1次データ作成のために、診療情報管理士資格を、設置要件もしくは国家資格としてはどうかという論点を掲げました。

 

演題名:臨床検査における地域偏在の横断的分析〜検査数・人材・ 品質指標の分布に着目して〜

発表者:岩田 純奈(特任研究員)

演題内容:全国335の二次医療圏を対象に臨床検査専門医・ISO 15189認定施設・検査数の地域分布を分析した。臨床検査専門医やISO 15189認定施設は約4割の医療圏に存在し、大都市圏と特定機能病院を有する医療圏に集中していた。臨床検査専門医がいる二次医療圏では検体検査管理加算IVや呼吸機能・超音波・化学検査の算定回数が多く、臨床検査専門医の配置が検査の質と量に関与している可能性が示唆された。

 

演題名:千葉県旭市特定健診・後期高齢者健診における塩分摂取量と糖尿病の関連

発表者:飯田英和

演題内容:本研究は、旭市の特定健診・後期高齢者健診受診者7831名を対象に、塩分摂取量と糖尿病との関連を明らかにすることを目的とした。分析の結果、一日推定塩分摂取量が1g増加に対する、糖尿病有病に関するオッズ比が1.05、HbA1c値の上昇も0.012ポイントであった。BMIからは独立したメカニズムが考えられた。糖尿病患者や血糖コントロール不良者では塩分摂取量が多い傾向があり、減塩指導の重要性が示唆された。

演題名:農作業者の主観的身体活動量と客観的身体活動量の差異と生活習慣との関連

発表者:三保健

演題内容:旭市の農業従事者の方15名にご協力をいただき、身体活動量について研究を行いました。主観的身体活動量と客観的身体活動量の差と、BMIを組み合わせ分析を行いました。結果として、活動量の差が大きく、BMIが高い方は、過食や間食を少なめに申告する傾向が見られました。また、疲労を感じていることと、過食が関連しやすいことも明らかとなりました。発表に質問も多くいただき交流へとつながりました!

 

演題名:厚生労働省 キャリア形成プログラム等運用支援事業を通じた医師偏在対策の実態と課題

発表者:佐藤志央理

演題内容:「キャリア形成プログラム等運用支援事業」を通じて把握された、各都道府県のキャリア形成プログラムの運用状況と、制度利用者のおかれている状況を報告しました。都道府県において、制度のよりよい運用に向け検討がなされていました。キャリア形成プログラムの運用は、キャリア形成卒前支援プランの実施から個別対応の充実により、包括的な対策が実施されているといえます。