キャリア形成プログラム等運用支援事業

2024年度 第1回 全国キャリアコーディネーター研修会を開催しました

2024.09.27

昨年度(2023年度)に続き、今年度、千葉大学医学部附属病院次世代医療構想センターは、厚生労働省「キャリア形成プログラム等運用支援事業」に参加しています。本事業は、地域枠等学生・医師のキャリア支援を行う「キャリアコーディネーター」の質の向上・支援の標準化や、都道府県における取組みの調査・支援することを目的として活動しています。(2023年度キャリアコーディネーター研修会の記事はこちらをクリックください)

本事業の一環として、ことし7月19日、キャリアコーディネーターやキャリア形成プログラムに携わる都道府県担当者の皆様を対象に、『2024年度第1回全国キャリアコーディネーター研修会』に開催しました。

開催日時:2024年7月19日(金)13:00〜16:15

開催形式:ハイブリッド開催

会 場 :TKPガーデンシティPREMIUM

41都道府県の100名(CC55名・都道府県職員44名など、会場参加 26名)と多くの方にご参加いただき、盛会となりました。

研修会冒頭、基調講演として、厚生労働省医政局 地域医療計画課 医師確保等地域医療対策室の中西浩之 室長から、『キャリア形成プログラム等の概要と展望』としてお話しいただきました。医療計画、医師確保、キャリア形成プログラム、キャリア形成卒前支援プランなどについてご紹介いただきました。また、今年6月、閣議決定された『骨太の方針』について、偏在対策が盛り込まれたことにも触れながら、偏在の現状が改善されるような医師に向けたインセンティブ構築を含める新たな対策を今後、示したいとお話しいただきました。

続いて、岐阜県CCで岐阜大学医学部附属地域医療医学センターの牛越博昭教授から『面談時の情報共有の工夫〜岐阜県の事例紹介〜』としてご講演をいただきました。岐阜県で、キャリア支援を必要とする学生・医師数の増加を受けて、新たな情報共有を構築したことや、そのセキュリティ対策を大学や県庁と調整し外部委託した事例を紹介いただきました。

千葉大学大学院医学研究院 地域医療教育学の鋪野紀好 特任准教授からは、『面談時に求められるスキル講座』としてご講演をいただきました。メンタリングについて、指導する側であるメンターと指導される側であるメンティーがともに成長する関係だと捉える『メンターシップ』という概念を紹介しながら、チーム全体で関係性を構築することが基本であることなどを伝えていただきました。

また、都道府県の取組みの現状や課題について、岡山県CC岡山大学学術研究院医歯薬学域 地域医療人材育成講座の小川弘子教授、栃木県CC 栃木県保健福祉部医療政策課 早川貴裕 主幹から情報共有をいただきました。

岡山県は地域枠医師と地域病院とのマッチングで決定しており、選定される地域勤務病院が毎年度違うことから、利用者がキャリアプランを考えにくいなどの課題を提示いただきました。

栃木県CCでから、県養成医師数は増加しているものの、診療科選択の制限廃止などの影響から、地域のニーズに合った養成が進んでいないなどの課題をご提示いただきました。

会場からは、質問が次々に上がり、活発な意見交換が行われました。

また研修会の後半には、グループワークを実施しました。

89名が12グループに分かれて、

『キャリア形成プログラム等利用者との関わり』

『義務履行とキャリア形成の両立困難への対応策』

『診療科限定』

『医師確保推進のためにできること』

以上の4つのテーマに沿った意見交換を行いました。

約1時間の議論の後には、4グループよりから発表いただき、「医局人事の派遣先に限りがある」とか「県外での専門研修を希望するケースがある」などといった各地の状況について、共有をいただきました。

終了後のアンケートでは、84.1%の方に高評価(満足度 5段階中、4・5を合計)をいただきました。

多くの方に「大変参考になった」、「他県との情報交換が有意義であった」などとコメントを寄せていただきました。一方で、「都道府県によって状況が異なるため参考になるとは限らない」、「課題の整理が不十分」、「もっと苦しい現状を発表するべき」、「具体的な解決策に繋がるとよりよい」といったコメントもいただき、次回以降の研修会に生かしていければと考えています。

★講演1-5の動画を、関係者限定で、リンクを知っている方のみの限定配信を行っています。

視聴希望される方は、以下の内容を、メールにて、こちら(career.design.cord+kensyu@gmail.com)までご連絡ください!

*件名「2024年度第1回CC研修会動画視聴希望」
*本文
①氏名
②所属都道府県
③役職(キャリアコーディネーター/都道府県担当者など)
④連絡先メールアドレス